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文芸|エッセイ
いま大注目のエッセイストによる『富士日記』への道案内。
戦後日記文学の白眉とされる武田百合子『富士日記』のきらめく一節をあじわいながら、そこから枝分かれするように生まれてくる著者自身の日記的時間をつづる。
武田百合子生誕100年、日記エッセイの書き手による『富士日記』再読エッセイ。
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ルーティーンのなかには細かく細かく、たくさんのいつもの行動がある。繰り返しのことだと、好きだとか苦手だとか、だんだん感じにくくなっていく。「しゃがんで動物に御飯をやる」ことに、ここ、と矢印をつけて好きと言えるのは稀有だと思う。
それくらい、日常というのは人に構ってくれないものだ。(本文より)
【著者紹介】
古賀 及子(こが ちかこ)
エッセイスト。1979年東京都生まれ。著書に『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』『おくれ毛で風を切れ』(ともに素粒社)、『気づいたこと、気づかないままのこと』(シカク出版)、『好きな食べ物がみつからない』(ポプラ社)など。
【仕様】
B6変型判
240ページ
並製カバー装
ISBN978-4-910413-17-4
ブックデザイン:鈴木千佳子